分散化された株式を従業員持株会へ譲渡することで、オーナー経営を強化します。
老舗企業の社長の悩み
先々代(祖父)以前から設立されている会社は、先々代が株式をその子供に分散して相続や生前贈与しているケースが多く、将来の社長候補もしくは現社長である先々代の孫はその叔父、叔母が株式を持っていて将来の経営基盤に不安をもっています。
従業員持株会設立のメリット
従業員持株会を設立して叔父、叔母またはいとこの持っている株式を譲渡してもらうことで経営基盤を安定させます。具体的には従業員持株会に譲渡する株式は配当優先の無議決権株式とします。
従業員持株会について
- 従業員持株会は民法上の組合(登記は不要)として設立します。よって会員は民法の契約に束縛されることになります。
- 会員が3名以上で設立できますが、1人当たりの持株数を分散したいのでできるだけ多く会員を集めるようにします。
- 株式は発券しなくてもよく、また名義は代表者(理事長)のみにして会社で保管することにしますので他に流出することはありません。
- 会員が退職や死亡により退会するときは持株会が買い取る契約にします。
中小会社の社員持株会の設立について
- 社員より発起人の選任をします。
- 持株会会員を募集し株式を購入します。
- 設立発起人総会を開催します。
- 理事会を開催し選任します。
従業員持株会設立のデメリット
従業員としては会社の株式をもち確実に配当をもらえるものの、従業員自身の資金を株式という形で会社へ預けているため、収入である給与と配当の両方を会社に依存することになります。